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かげいろ

何者でもない私が成功者と出会ったら vol.2

かげいろ, 連載

思い立って、先週からブログで連載を始めました。
題して、
『何者でもない私が成功者と出会ったら
~地方在住 主婦ライターが教わる“人生を豊かにする方法”~』

です。

先週は序章的な感じでした。

今週は、およそ2年前、この連載の主役、じゃなかった、メインの脇役のおひとり、ファッションブランドAURATiERのデザイナー基子さんとの出会いのことを書こうと思います。


1. 偶然の出会いが人生を変える

2022年の夏、私は基子さんと出会いました。
私は2020年の終わり頃から「スバキリ一味」というクラウドファンディングプロデュースユニットに所属していて、ライティング担当としてさまざまなクライアントのプロジェクトに携わっていました。

その当時、チームには10人近くのライターが所属していたでしょうか。
ライターはそれぞれ自分のスケジュールに合わせて取材可能な日程を申請し、クライアントの希望する日程に合うライターがアサインされる仕組みでした。
私が基子さんのプロジェクトに関わることになったのも、単にスケジュールが合っていただけのこと。本当に偶然でした。

基子さんのプロジェクトは、2023年にマレーシアで開催されるファッションショーに参加するための資金調達を目的としたクラウドファンディングでした。

このプロジェクトにアサインされたとき、私はまさかこの偶然の出会いが自分のキャリアや人生観までも変えるきっかけになるとは思ってもいませんでした。

2.基子さんの情熱に涙する

私は、2021年末までは整理収納アドバイザーとライターという二足のわらじを履いて仕事をしていました。
2022年から、活動をライター一本に絞る決断をしたばかり。
でも、ライターとしてのキャリアは7年ありましたし、クラウドファンディングの取材・執筆もすでに100件以上のプロジェクトに携わってきたこともあり、仕事には慣れていた時期でした。

クライアントの負担にならないように、効率的で短時間の取材を心がけ、スムーズに支援を集められる文章を仕上げることが日常でした。
文章を通して他者の思いを伝えるライターという仕事は、私にとても相性の良い職業だと感じていました。
一方で、日々の仕事を着実にこなしていく中で、歯車の一員になっているような感覚になり、少し物足りなさも感じるときもありつつ、それが当たり前になりかけていたのです。

そんな中での基子さんとの出会い。
取材が始まったときは、私はいつも通り、プロジェクトの内容を聞き出し、効率的に情報をまとめるつもりで臨みました。
しかし、インタビューが進むにつれて、彼女が語る言葉の一つひとつに引き込まれていきました。
彼女が目指しているのは、ただファッションショーに参加することでなく、彼女自身がデザイナーとして取り組んできたことを通じて、「自分を生きる」というメッセージを多くの人に伝えることだったのです。

私は基子さんの言葉に感銘を受け、気づいたときには涙がこぼれていました。

基子さんが受け取った、「流水紋を服にする」というバトン。
はじめはうまくいかず、それこそのたうち回るように、なんとか形にしようとされていたこと。
でも、その使命を通じて「魂が喜ぶ生き方をする」ことを知っていく様子。

基子さんの情熱と信念に触れ、私は自分のなかにアツいものが湧き上がってくるのを感じていました。

3. プレッシャーとやりがいと

取材が終わった後、私はこのプロジェクトが単なるファッションショーのための資金調達にとどまらないことを実感しました。
そのため、基子さんの強い思いを文字にして、多くの人々に伝えなければならないという大きな責任感を感じたのです。

これまで数多くのクライアントを取材し、プロジェクトページを作成してきましたが、基子さんの熱量は群を抜いていました。

さらに、基子さんのチームメンバーも、すばらしい方たちでした。
取材に同席していたおふたりの(当時は「スタッフさん」としてしか認識していなかった……実はデザインのプロであるいろりデザイン室のえいこさんと梢さんだと後々知ることになりました)細部へのこだわりとセンス、熱量にも感銘を受けていました。

基子さんの人生、彼女が歩んできた道、そして彼女がこれから伝えたいメッセージを、ただまとめるだけではなく、しっかりと深いところまで、それこそ「魂が震えるように」表現することが求められているのだろうなーそれはそれはかなりのプレッシャーでした。

いつも以上に慎重に言葉を選び、何度も修正を重ねたことを覚えています。

ページが完成するまでに、多くの時間と修正が必要でしたが、最終的にできあがったプロジェクトページは、心からすばらしいと思えるものになりました。

100件もクラウドファンディングのライティングをしていると、取材の段階で支援を集めそうかどうかは、何となく予想がつくようになるものですが、このプロジェクトが間違いなく成功すると確信していました。

結果として、472万円もの支援が集まり、プロジェクトは大成功を収めたのです。

そしてこの経験は、私にとって単なる仕事以上のものであり、仕事の仕方、生き方などを考え直すきっかけとなりました。


学び
「慣れてこなせるようになった」、は実は「物足りない」と紙一重。
「こんなふうに仕事をしたい」と感じられる人と出会ったら、必死にくらいついてみる。
プレッシャーを感じる仕事ほど、自分にとっては大きな学びを得るものになるから。


・基子さんのファッションブランド: AURATiER
https://faire-parci-parla.com/
https://auratier.com

・えいこさん・梢さんのデザイン事務所: いろりデザイン室
https://iroredesign.com/